寒さに震えた冬から春になると心なしか頬が緩んできます。

福岡市議会は、緊張感に包まれた予算議会が、3月28日に終えました。
福岡空港ビル運営を民間に委託するという国の方針決定を受けて地元自治体として市民の安全を担保するためどのように空港運営に関与していくのか熱い議論を交わしました。
市民の生活に最も近いところにいる市議会が、きちんと向き合わなければならない課題です。

　3月議会は、私が所属する第３委員会所管の港湾空港局、経済観光文化局で、空港ビル運営会社への出資をめぐる案件と屋台選定委員会の選考やり直し案件を抱えたことにより、いつになく緊張の連続でした。
　昨年11月のトランプ大統領の誕生や同６月イギリスの住民投票によるEU離脱の選択、東京都知事に「都民ファースト」を掲げた小池百合子知事の誕生など、いずれも世論のトレンドを映しメディアを賑わせています。
　わが福岡市の3月議会の争点となった新空港ビルへの出資を巡る問題に置き換えると、議会の総意である「出資して市民の安全確保に積極的に関与すべき」という主張と、市長のいう「出資せず得られた資金を子どもやスポーツ事業に使うため基金を積む」という主張は、果たしてどちらが多くの市民の支持を得られるか……。どちらが有権者に受け入れられやすいかを考えてしまいます。
　高島市長は、議会答弁の中で「貴重な財源を子どもの施策に基金として積み上げた」と耳あたりの良い主張をしました。私たち議会多数は「市民の安全を担保するために空港ビルに出資を」と主張したのです。どちらが正しいとか間違っているではなくどちらの政策を優先すべきかで私たちは選択を迫られました。
　米・英や、東京都の事例もそうですが、市民に受け入れられやすい発信力をどちらが持っているかが問われる時代になっています。市民の生活背景をつぶさにつかみ尚且つ未来を見通せる“力”を誰が有しているか、発信者の「人と主張」を見て市民は決めます。議会も正念場と自覚した3月定例議会でした。

＊昨年9月、林産業先進地北欧視察報告2は紙面の都合で次号に繰り延べ致します。

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